前回の記事では、最高評価を取り続ける人たちは、「断る」のではなく、「優先順位を相談する」ことで信頼を積み重ねていたことを知りました。
(※前回の記事はこちら→『「仕事を選べるようになった」。でも私は、上司との関係を壊すのが怖かった…。』)
私はその考え方を実践し始めてから、少しずつ仕事が進めやすくなってきました。
上司との会話も以前より自然になり、
「最近、前より仕事が進めやすくなってきたな。」
そんな手応えも感じ始めていました。
正直、
「これなら、働ける時間が短い私でも最高評価へ近づける。」
そう思っていたのです。
しかし…。
私の目の前にまた新しい壁が現れました。
もくじ
「終わりました。」そう報告した私と最高評価者。たった30秒で評価が分かれた瞬間だった…。
ある日の午後。
私は完成した資料を持ち、会議室へ向かっていました。
廊下を歩いていると、少しだけ開いた会議室のドアから上司と同僚の声が聞こえてきます。
「○○の案件ですが、予定より一日早く完了しました。」
同僚は落ち着いた口調で続けます。
「途中で△△の問題がありましたが、先に対応しておいたので、今後の影響はありません。
次は○○へ進めます。」
その報告を聞いた上司は、笑顔でこう言いました。
「ありがとう。そこまで考えてくれていたんだ。助かる。」
会話が終わるのを待ってから、私は資料を上司へ渡しました。
しかし、会議室を出た後も、先ほどの30秒の報告が頭から離れませんでした。
翌日・・・。
今度は私の番です。
私は同じように成果を報告しました。
「○○の案件は終わりました。」
上司は一言。
「ありがとう。」
それだけでした。
私から見れば、仕事内容も成果も大きく変わらないように思えました。
なのに…何かが違う。
会話が終わった後の空気が、まるで違いました。
帰り道に私は何度も考えた。「一体何が違ったんだろう…。」
会社を出ると、いつもより少し冷たい夕方の風が頬に当たりました。
信号待ちをしながら、私は頭の中で何度も今日の会話を思い返します。
「少なくとも、私には同じような成果に見えた。」
「仕事量だって、大きく違うようには思えなかった。」
「それなのに、何が違ったんだろう。」
歩きながら自分の報告を振り返っていると、ふと、一つの答えにたどり着きました。
そういえば・・・。
私は、
「終わりました。」
しか言っていなかった。
でも、あの同僚は違いました。
何をしたのか。
途中で何が起きたのか。
どう対応したのか。
そして、
「だから安心してください。」
ということまで伝えていたのです。
私は成果だけを報告していました。
でも、最高評価を取り続ける同僚は、成果だけでなく、上司が安心できる材料まで伝えていたのです。
私は成果を報告していた。
しかし、彼は成果と安心を報告していたのです。
また気付いてしまった…。最高評価者の報告には、上司が安心する”ある共通点”があった。
私はそれから、最高評価を取り続ける人たちがどのように報告しているのかを意識して聞くようになりました。
すると、ある共通点が見えてきます。
誰一人として、
「終わりました。」
だけの単調な報告で終えていないのです。
例えば、
「予定より半日早く終わっています。」
「次は△△へ進めます。」
「次の工程では○○の問題が起きる可能性がありますが、起きた場合の対応方法まで準備しています。」
たった30秒。
でも、その30秒で上司は、
「今どこまで進んでいるのか。」
「もう心配しなくていいんだ。」
ということまで理解していました。
その瞬間、私は思いました。
「だから、この人たちは安心して仕事を任せてもらえるのか…。」
成果を出せば評価されると思っていた…。会社がその先に求めていた“安心感”とは?
その瞬間、今までバラバラだった点が、また一本の線でつながりました。
私はずっと、評価される人とは、成果を出す人。
そう思っていました。
しかし、それだけでは足りなかったのです。
会社が求めていたのは、成果を出す人。
そして、その成果へ向かう過程まで安心して任せられる人でした。
つまり、成果に加えて、
「この人なら途中で問題が起きても、きちんと状況を共有してくれる」
という安心感も見ていたのです。
ここで私は、第8記事で気付いた
「会社が求める人物像」
を思い出しました。
(※第8記事はこちら→『会社が求める人物像を知った瞬間、仕事の優先順位が180度変わった!』)
第8記事では、会社の期待を知ったことで「どの仕事を優先するか」が変わりました。
そして今回は、その仕事を「どのように伝えるか」まで変わったのです。
ようやく私は理解しました。
報告とは、成果を伝えるだけの時間ではありませんでした。
成果と今後の見通しを伝え、相手の不安を減らす時間だったのです。
今日から試してください。「終わりました。」の後に、この一言を添えるだけです。
報告するときは、難しく考える必要はありません。
結果 → 問題への対応 → 次の行動
この3つを短く伝えるだけです。
例えば、
「資料は予定どおり完成しました。途中で数字のズレがありましたが、修正済みです。上司の確認後、関係部署へ共有します。」
これだけで、相手は結果だけでなく、途中で起きたことや今後の見通しまで把握できます。
とはいえ、最初から三つすべてを話すのが難しい人もいると思います。
そんな時は、「終わりました」の後に、「次は○○を進めます。」
と一言添えるところから始めてみてください。
私も、この一言を意識するところから始めました。
ほんの数秒の違いですが、その数秒が安心へ変わり、安心の積み重ねが信頼となり、やがて評価へつながっていったのです。
次回予告:報告は変えた。それでも私は、問題が起きるまで相談できなかった…。
私は少しずつ、仕事の受け方も、報告の仕方も変えてきました。
上司との会話も増え、以前より安心して仕事を任せてもらえるようになりました。
「これで、ようやく最高評価へ近づける。」
そう思っていました。
しかし、まだ足りなかったのです。
ある日、私は自分一人で解決しようとしていた仕事で、判断に迷っていました。
「もう少し自分で考えてから相談しよう。」
そう思いながら資料を見つめていると、隣の席から最高評価者の声が聞こえてきました。
「この仕事を始める前に、方向性だけ確認してもよろしいですか?」
私は思わず顔を上げました。
まだ、何の問題も起きていません。
仕事も始まったばかりです。
それなのに、その人はもう上司へ相談していたのです。
その瞬間、私は気付きました。
私は、問題が起きてから相談していました。
しかし最高評価者は、問題が起きないように、仕事を始める前に方向を合わせていたのです。
次回、
『相談が上手い人ほど評価される本当の理由。最高評価者は問題が起きる前に相談していた』
をお届けします。

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