もくじ
「仕事を選べるようになった」。でも私は、上司との関係を壊すのが怖かった…。
前回の記事では、最高評価を取り続ける人たちは、「やらない仕事」を決めていたことを知りました。
(※前回の記事はこちら→『最高評価者は「やらない仕事」を先に決めていた!』)
私はその考え方を知った時、胸の中に長年つかえていたものが少しだけ軽くなりました。
「全部やらなくてもいいんだ。」
そう思えたからです。
でも、その安心感は長く続きませんでした。
私の前には、もっと大きな壁が待っていたのです。
「今日はできません。」その一言が、喉まで出かかった。でも、どうしても言えなかった。
朝、会社に到着すると
パソコンを開き、いつものようにメールを確認する。
そして、整理しておいた”今日やる仕事”をPC上に表示された今日の予定を見直す。
昨日の夜、家で考えた逆算思考のおかげで、今日は何を優先すべきかはもう決まっていました。
「今日はこの仕事に集中する。」
そう心に決めていました。
その時です。
デスクの横で足音が止まりました・・・。
振り向くと、上司が資料を片手に立っています。
「悪い、この件なんだけど。」
胸が少しだけザワつく。
嫌な予感がしました。
「今日中にお願いできる?」
その瞬間、昨日立てた今日の計画が、頭の中で音を立てて崩れていきました。
私は、「今日はちょっと・・・難しいです。」
その一言が喉まで出かかりました。
でも・・・出ませんでした。
口から出た言葉は、結局いつもと同じでした。
「はい。分かりました・・。」
笑顔で返事をした自分とは裏腹に、胸の奥では何か大切なものを失ったような感覚だけが残っていました。
私は「断る」のが怖かったんじゃない。本当に怖かったのは”信頼を失うこと”だった。
会社から帰る途中、私は何度も自分に問いかけました。
「どうしてあの時言えなかったんだろう。」
答えはすぐに見つかりました。
仕事を断ることが怖いんじゃない。
上司から
「使えないなぁ・・。」
「最近、協力的じゃないなぁ・・。」
そう思われることが怖かったんです。
私はずっと、評価とは仕事の質と上司の期待に応えることで決まるものだと思っていました。
だから、期待されたら断らずに、頼まれたら引き受ける。
それが信頼される人だと思っていたのです。
実は、最高評価者は仕事を断る前から「信頼」を積み上げていた。
私はまた、毎年最高評価を取り続ける人たちを観察しました。
すると、今まで見えていなかった景色がありました。
ある日。
上司が一人の同僚に仕事を依頼しました。
私は、「きっとこの人も断れないんだろう。だけどどう対応するんだろう?」
そう思っていました。
しかし、違いました。
同僚は落ち着いた表情でこう言いました。
「わかりました。ただ、今進めている○○を優先した方が今年の目標には近づくと思います。
なので、今依頼いただいた仕事は明日に回してもよろしいでしょうか?」
上司は一瞬考え、笑顔で答えました。
「ああ、それでいこう。」
私は言葉を失いました。
断ったわけではありません。
でも、引き受けてもいません。
その人は、仕事ではなく、優先順位を相談していたのです。
そして、何より上司は嫌な顔一つしていませんでした。
会社が信頼していたのは「何でもやる人」ではなく、「安心して任せられる人」だった。
その瞬間、今までバラバラだった点が一本の線でつながりました。
評価される人は、仕事が速い人ではなく、仕事が多い人でもない。
「この人なら安心して任せられる。」
そう思われる人だったのです。
だから、仕事を断ること自体は問題ではありません。
問題なのは、相手を不安にさせる断り方だったのです。
私はようやく、信頼とは「仕事を受ける数ではなく、安心感を積み重ねること」だったと理解しました。
ここで私は、第8記事で気付いた「会社が求める人物像」と、すべてが一本につながった感覚を覚えました。
(※第8記事はこちら→「会社が求める人物像を知った瞬間、仕事の優先順位が180度変わった!」)
会社が見ていたのは、「何でも引き受ける人」ではなく、「会社が安心して任せられる人」だったのです。
今日から試してみてください。信頼は「YES」ではなく、この一言から始まります。
もし今、頼まれた仕事を断れず、毎日時間に追われているなら、今日一つだけ試してみてください。
仕事を頼まれた時、すぐに
「はい。」
と言う代わりに、こう聞いてみてください。
「優先順位を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
たったこれだけです。
断るのではありません。
相談するのです。
この一言だけで、仕事の見え方も、上司との関係も、少しずつ変わり始めます。
私も最初は、
「すぐ返事をしないと失礼なんじゃないか。」
そう思っていました。
でも実際は違いました。
少し考えてから返事をした方が、上司は
「ちゃんと優先順位を考えてくれている。」
と安心してくれるようになったのです。
次回予告:信頼されるようになった。でも、まだ評価は思ったほど上がらなかった…。
私は少しずつ、上司との関係が変わり始めました。
仕事も進めやすくなりました。
「これでようやく最高評価へ近づける。」
そう思っていました。
しかし、まだ足りなかったのです。
ある日、最高評価を取り続ける同僚の報告を隣で聞いた瞬間、私はまた衝撃を受けます。
同じ成果を出しているはずなのに、上司の反応がまるで違う。
私はその場で、
「評価される人は、成果を出すだけではダメだったのか…。」
とまた新たな壁が目の前に立ちはだかりました。
その日の帰り道、私はずっと考えていました。
「仕事の受け方も上司との関係も変わった。なのに…どうしてあの人ばかり評価されるんだろう。」
そして翌日。
最高評価者の”たった30秒の報告”を聞いた瞬間、私はまた立ち止まりました。
「……そういうことだったのか。」
その一言が何度も頭の中で繰り返されていました。
次回
『同じような成果なのに評価が違う…。最高評価者は「報告」で信頼を積み上げていた。』
をお届けします。


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